~大学側からは厳しいニュアンス~
お茶大の志賀高原体育運動場(通称志賀高原山小屋)は、大学生の利用率の低さや、経費面の負担から存続について大学内で問題視されるようになり、鏡影会では平成14年から約10年間、毎年夏、冬にはツアーを開催して利用率向上を図ると共に、施設存続を各方面へ訴えてきています。
平成17年には当時の学長から「今後施設を充実させ、一人でも多くの児童・生徒・学生および教職員が利用するように」という意向が示され存続方針が出されましたが、また最近になって廃止論が大学内で起きています。
これを受けて、平成24年2月7日に臨時同窓連絡会(桜蔭会、作楽会、鏡影会、茗鏡会、ちぐさ会)を開催し、大学、附属校の全同窓会が存続を望むという意向確認を行い、その旨を大学側へ要望書提出により伝えることを決議いたしました。
そして、3月19日に遠藤桜蔭会会長、尾花鏡影会会長、村重鏡影会理事(お茶中教育後援会鏡水会会長)の三名がお茶大理事室に副学長を訪ね、志賀高原施設の維持を要望し、「要望書」を手交しました。
以下その時のやり取りをご報告します。
<同窓連絡会からの申し入れ>
お茶大の志賀高原体育施設を廃止しないで欲しいというのが、全同窓会の意向である。
<大学側回答>
平成24年度廃止は無い。現段階ではそこまでしか言えない。
大学生、教職員の利用が少なく、附属中学校林間学校で利用している程度である。
大学生の宿泊研修や合宿はアクセスも良く安い施設が他にある。
人件費を含む毎年の赤字や施設の維持改善費用が負担であり、大学内で維持が必要であると主張するには難しい面がある。施設本来の目的どおりに大学生が活用しているのであれば、赤字については大学としても已む無しと考える。
<同窓連絡会>
これまでも幼稚園の銀杏の木保存、大学東門横の土地のマンション建設問題と土地払下げ、小学校のベヒシュタイン・ピアノ修復、徽音堂改修費用等の諸課題に対して、同窓会が協力をしてきた経緯がある。志賀高原体育運動場施設の維持運営に関し、同窓会で何か協力できることはないか?
<大学側>
同窓会などで協力してくれることは大変にありがたいが、例えば桜蔭会館と作楽会館が老朽化しているので、全体の同窓会館のようなものを建設することといったことに協力をして欲しい。
<同窓連絡会>
大学のホームページによると、今回施設収容人員が68名から46名と変更になり、稼働日数も削減され、稼働率算出根拠の適正化が図られているようである。また、利用申し込み方法もインターネット利用ができるようになって改善はされている。
しかし、利用料金が4月から大幅値上げとなっており、今後の利用率低下が懸念される。
<大学側>
料金改定は、長らく据え置かれており市場価格と乖離していたのでこれを見直し、学生については少額の値上げとし、学外者の利用料金は相応の引き上げとした。
なお、利用率算出は学内の利用を対象としており、学外者の利用率は重視していない。あくまでもこの施設の合目的の利用率が重要である。
<同窓連絡会>
卒業生が利用する際に、例えば大学の先生を講師に招きセミナーを開催するなど、学内関係者と一緒に利用することは「学内利用」としてカウントされるか?
<大学側>
それは学内利用として考えられる。大学としては所轄官庁から種々指摘を受けており、当施設の運営を大学から切り離したいところである。
借地であり土地の資産価値は低く、老朽化していて施設の資産価値も低い。仮に廃止するとしてもそのコスト負担は、今後の維持費に比べて少ないものである。
以上
大学側の回答は、施設維持については厳しいニュアンスであり、今年度の廃止はないものの今後の動向にはなお予断が許されない状況にあります。
附属中学校のみならず、大学生、大学教職員の利用率向上、他の附属学校の利用を促すなど、お茶大学校園全体での努力が今後も望まれるところです。
鏡影会としても、引き続き重大な関心をもって本問題に対処してまいりますので、会員の皆様のご理解とご支援、ご協力を宜しくお願い致します。
(鏡影会特命担当理事 村重嘉文 1960卒)